ネットを見て不安になって、、、シーラントをした方がよいのかどうか。
先日シーラントのお約束で来院された小児患者さんのお母さんから診療前に、”先生少しお伺いしてもよろしいでしょうか?”と不安そうな表情でご質問いただきました。
”シーラントはその後のメンテナンスが大変になったりむし歯になったりしますか?”
具体的な不安をお伺いし、お子さんの歯の形態や現状を一緒に再確認をし、シーラントをすることによるメリット、デメリットを再度説明させていただいたところ、安心の表情を見せていただきました。
”ネットで調べてみたらよくないことが書かれていて、、、”
とおっしゃっていたので、感謝をお伝えしました。
知人からフッ素はよくないと聞き不安になったというお話しや、患者さんが自身の歯の状態をネットで調べて不安になったというお話しと同様、誰かによくないと聞いた、ネットで調べてみたらよくないと書いてあった、正視できない写真があったなど、現在では情報が溢れ良くも悪くも様々な情報を得られることから患者さんは不安に陥ることがあります。
日本脳炎ワクチンも一緒だと思います。
ワクチン接種により75〜95%の罹患リスクを避けられるとされていますが副反応が起こる場合もあります。私たちは、リスクを認識した上で子供達に必要なワクチンを受けさせます。 ”日本脳炎を発症し、20〜40%の確率で死に至る”というリスクから子どもたちを守りたいからです。ただ、副反応によるトラブルを未然に避けるためワクチンを受けない方もいらっしゃるかもしれません。
様々な考え方、選択があるとしてもどちらも子どものことを思ってのことですよね。
だからこそ、納得をしていてほしいと思っています。
ですから今回の件についても不安を抱えたままではなく、相談・再確認を事前にしていただたことに感謝をお伝えしました。
まだ医療現場ではなにかを不安や疑問に思っていても聞きにくいという雰囲気があるのかもしれません。ただ、私たちはモヤモヤしたまま、不安や不満を抱えたまま通ってほしくありません。
通院はよりよい健康、日常、人生のために前向きなものであってほしいと願っています。 だからこそ当院では患者さんの不安をケアすることができるよう歯科医師だけではなく、衛生士も患者さんに積極的に関わりますし、受付でもコミュニケーションをとりやすい環境をつくれるよう努力しています。
患者さんを笑顔にしたい。
そこを目標に日々スタッフと歯科医療に取り組んでいます。
一つひとつの診療に際し私自身の歯と思い治療を行なっておりますが、もしなにか調べて不安になった、知人からよくないことを聞いたなどのことがありましたら遠慮なくご相談ください。
気持ちよく、できるだけ前向きに、大切な子どもの大切な歯を一緒に守っていきましょう。
シーラントについて
特に生えたての永久歯などむし歯リスクが高い場合にはフッ素徐放性があるシーラントを行うことで歯垢や食べカスが歯の溝に残りにくい状態にしむし歯リスクを下げることができます。その下でむし歯になることがないとは言い切れませんが、予防効果の方が高いためむし歯リスクが高い場合にはシーラントをお勧めしています。
日本脳炎ワクチンのお話しを例えましたが、当院では誰にでもシーラントを勧めている訳ではありません。また、強要することもありません。リスクが高いお子さんやご家族に説明をし、理解され希望された際に行なっています。
ちなみに私たち高橋家では子ども達にシーラントをしています。歯を守ってやりたいと強く思っていますし、細菌から歯を守る難しさを知っているからです。